骨壺の歴史

骨壺の歴史は古代まで遡ります。

古い骨壺のイメージ

日本では古代から骨壺を使っており、形や素材は時代によって変化してきました。
では、どのように変化してきたのか、骨壺の歴史についてご紹介していきます。

古代

飛鳥時代から平安時代にかけて、6世紀~12世紀頃の骨壺は、蔵骨器(ぞうこつき)または骨蔵器(こつぞうき)と呼ばれていました。 この時代の骨壺は素焼きの土師器(はじき)、陶質土器の須恵器(すえき)の甕を転用したものが多かったのですが、 金属や石をくり貫いて加工したものなど多種多様性に富んでいました。この時代の骨壺も含め、古来からおおむね円形であったようです。 中には蓋や本体に銘文が陰刻されているものも存在し、きわめて貴重な金石文史料となっています。 中世になると常滑焼、瀬戸焼、信楽焼など大衆的な陶器が用いられるようになりました。

中世

12世紀~17世紀にかけての中世には、常滑焼、瀬戸焼、信楽焼の骨壺が使われるようになってきます。 常滑焼(とこなめやき)の産地は愛知県常滑市、瀬戸焼(せとやき)の産地は愛知県瀬戸市、信楽焼(しがらきやき)の産地は滋賀県甲賀市信楽町です。 これらの産地は今でも陶器の産地として有名です。これら大衆的な陶器が骨壺として用いられ、五輪塔などの石造物の下ややぐら内に埋納さるようになりました。

現代

現代でも骨壺は陶磁器が中心ですが、ガラス製・金属製・木製の骨壺などいろいろな材質の骨壺が製造されています。 材質だけでなくデザインも多彩で美しい柄や装飾のされた骨壷も多く、近年では自らが生前に骨壺を選定しておくことも行われるようになりました。 ペットも家族の一員という考えからペット用の骨壺もあり、骨壺に骨や毛を入れて供養されることも多くなりました。 サイズも多様で2寸、2.3寸、3寸、4寸、5寸、6寸、7寸、8寸などのサイズがあり、小さいものは主にペット用に使われます。 骨壺以外にもペット用葬具などもあります。 人用の骨壺は地方によっても変わりますが、関東では7寸以上のサイズが使われます。